こころのページ

 

ストレスは皮膚の疾患のもとにも


▼アトピー性皮膚炎は、ストレスとも関係しているわけですね。
■例えば、アトピー性皮膚炎の不登校の子どもが無理して登校しようとして、
発疹がひどくなったケースがあります。また、親が過干渉であったり、子どもを強くしかったりした場合
つまり、子どもが心理的な圧迫を感じている時には、症状がひどくなっているのです。  
成人でも、仕事や人間関係でストレスを強く感じている場合、症状が進むケースが多いと思います。
例えば、症状がひどいので入院して治療すると、驚くほど症状が改善しますが、退院して自宅に戻り、
職場に復帰すると、しばらくして症状がぶり返すこともしばしばです。


▼ストレスで発疹が多くなると。
■喧騒な都会から離れて静かな土地で治療に励んだある患者さんは、
とても治りが早かったという例がありました。つまり、仕事や煩わしい人間関係、
騒音から解放されてストレスを感じないで治療に専念できたことと関係しているといえるでしょう。  
また、ある小学生は、入院治療をしながら、適度な運動と規則正しい生活を送り、
自分のことは自分でやるという「自己規律」を図りながら自律心を育てていくことで、
アトピー性皮膚炎を克服した例もあります。

▼心理的なことは症状に大きな影響を与える……。
■例えば、アトピー性皮膚炎のかゆみはストレスのもとになります。
「掻いてはいけない」と思いつつも、昼間は我慢できても、夜になると、つい掻いてしまう。
その結果、「自分は意志が弱い」と落ち込み、それがまた、症状を悪化させるという悪循環を
引き起こしている場合もあります。


▼「にきび」も、ストレスに関係があると言われましたが。
■思春期には皮脂の分泌が活発になり、にきびができやすくなりますが、
それでも友達関係や試験などのストレスが続くとたくさんできます。生徒だけでなく、学期末など、
試験で多忙になると、教師でもにきびができる人もいます(笑い)。  また、脱毛症やじんましんも
疲労やストレスが続くと現れやすい……。

「自分が大好き」という気持ちが大切


▼皮膚疾患の場合、どのようなことを心掛ければいいのですか。
■何よりも、医師の指導通りに、ステロイド剤を外用したり、指示された薬を服用することが
基本です。感染症の場合には、周囲に感染させないような配慮も必要です。医師の指導を
過度に気にすることはありませんが、しっかり治療を続けることが完治への近道です。  
ただ治療に取り組むにあたっては、「自分を大事にする」「自分をいたわる」、そして
「自分が大好き」という気持ちをもつことが大切だと思います。

▼「自分が大好きになる」というのと治療の関係とは?
■自分を好きになることで、自分に対して肯定的になります。自分はこの世界には一人しかいない
かけがえのない存在なのだという尊厳観をもてれば、治療に対して積極的になれます。  
もし、そういう気持ちがなければ、治療にいい加減になったり、顔など、外から見える場所に疾患が
ある場合、周囲の目を気にしすぎて自分を卑下したり、なかなか治らないからといって悲観的になったり、
粘り強く治療を続けないのは意志が弱いからだと落ち込んだりする……。


▼家族が心掛けることは何でしょうか
■疾患について、どのような病気なのかをしっかり認識することが大事です。
そのうえにたって、本人が治療を続けやすいようにしてあげる。  治りが遅い場合、
家族があせってイライラすると本人にストレスを与える結果になりますから、
気をつけたいものです。  もし、子どもがアトピー性皮膚炎などの場合には、
かゆみが出たら、注意をほかのほうに向けてあげたり、根気強く治療に取り組めるように、
温かな励ましが大切です。  例えば、「この病気があるおかげで、かゆみで悩むほかの
人の気持ちが分かるのよ」―そういうのも一つの励まし方と思います。

▼皮膚の疾患の回復と心は関係している……
■そう思います。ある患者さんは、一年半ほど入院治療するほどの重いアトピー性皮膚炎
でしたが、それまでの悲観的な生き方から楽観的な生き方に変わったことが、回復に大きな
影響を与えました。  ほかの病気でもそうだと思いますが、人生に対して楽観的、前向きに
なる時、その人の自然治癒力が発揮されるようになるのではないでしょうか。「自分が大好き」
―そういう気持ちが治癒力を高め、疾患の回復に大きな影響を与えると思います。


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